青空が広がった12月中旬、9日に膀胱がんのためこの世を去った小倉智昭さん(享年77)の葬儀がしめやかに営まれた。喪主を務めたのは、小倉さんと40年間連れ添った妻のさゆりさんだった。長年情報番組のMCを務め、交友関係も広かった小倉さんの“キャスターとしての最後”に、さゆりさんは複雑な思いを抱いているという。
「生前、小倉さんは熱心なコレクターとして知られていました。小倉さんの死後、さゆりさんはそういったコレクションを眺めながら、生前小倉さんと親交のあった人々を自宅に招いて、“お別れの時間”を過ごしてもらおうとしていました。ところが、小倉さんの死が思ったより早く世間に知れ渡り、その準備の時間がとれないまま葬儀の日を迎えることになった。それが心残りになっているようです」(芸能関係者)
小倉さんのコレクションは、本だけで数万冊、CDやDVDは合わせて約2万枚あった。それらに加え、腕時計や絵画、飛行機や鉄道の模型に、日本では手に入らない木材で作った貴重なゴルフクラブなどもあったという。
「5万点を超えるコレクションを、小倉さんは自宅とは別に借りた事務所兼スタジオに保管していました。7階建てビルの4フロアを使い、『小倉ベース』と呼ばれていました。ただ、家賃などの維持費が相当額かかるため、小倉さんは生前、コレクションの処分を考えていたようです」(小倉さんの知人)
そこに手を差し伸べたのがさゆりさんだった。
「“あなたの余生は、自分が好きで集めたものに囲まれて暮らすのが幸せでしょ”と言って、自宅を自慢の品々を展示できるようにリフォームして、小倉ベースからすべての所蔵品を引き上げる計画を立てました。さゆりさんが使っていた部屋にも陳列棚を作ったそうです」(前出・小倉さんの知人)
自らの部屋を夫に明け渡したさゆりさんは、母親の介護もあり、都内にある実家へと移った。2023年秋にリフォーム工事が終わると、計画通りすべてのコレクションが自宅に収まったという。
「小倉さんが集めたものの一つひとつに、さゆりさんは夫の人生が映し出されているように感じていたようです。だからこそ、まずはそうした大切な品々がある思い出の場所で、お世話になった人にお別れをしてもらいたかったのでしょう」(前出・芸能関係者)
後日予定されている小倉さんの「お別れの会」では、さゆりさんのはからいでコレクションの展示が計画されているという。