12月6日、“ミポリン”の愛称で親しまれ、歌手として女優として活躍した中山美穂さん(54)が東京・渋谷区にある自宅マンションの浴室で死亡しているのがスタッフによって発見された。
この日、夕方から自身のコンサートライブが大阪で開催予定だった。
「同日午後2時ごろですよ。所属事務所から突如としてコンサート中止が発表され、チケットの払い戻しが行われたんです。彼女の訃報が流れたのは、その40分後。当日、大阪入りするために品川駅で朝9時台の新幹線のぞみに乗るべく、マネジャーと待ち合わせをしていた。しかし、いくら待っても中山は来ない。携帯も通じない。焦ったマネジャーは嫌な胸騒ぎを感じたそうです」(芸能プロ関係者)
管理人とともにマンションのドアを開けたマネジャーらは、浴槽で前かがみになり真水に顔を浸した状態の中山さんを発見した。
素人目にも息絶えていることが分かったという。
自宅マンションは、JR恵比寿駅から徒歩10分ほどの7階建てビルの1室だった。
「中山が住んでいたビルは、4階までが事務所などが入り、5階以上が居住スペース。住民が住むフロア以外にはエレベーターが止まらないセキュリティー構造になっていた。部屋は内側から施錠されており、発見時も彼女だけだった」(警視庁詰め民放キャップ)
警視庁は、調べで事件性はないと判断した。
「遺体発見時、部屋がしっかりと施錠されていたことや司法解剖の結果です。死因は入浴中に起きた不慮の事故によるものと断定した」(同)
この時期、浴室の事故として考えられるのは、次の4つになるそうだ。
「(1)入浴中の睡眠(2)持病などの発作(3)ヒートショックによる心筋梗塞など(4)熱中症による意識混濁などです。中山さんの場合、持病や年齢などを考慮すると入浴中の睡眠の可能性が指摘されている。普段からお酒が好きだったことで知られていた。あくまでも推測だが、酔ったまま浴槽に入ったのではないか」(事情通)
中山さんの突然の悲報。エンタメ関係者やファンらは悲しみに暮れている。
決して天狗になることはなかったミポリン
中山さんといえば、シングル『C』、『ツイてるねノッてるね』、『WAKU WAKUさせて』、『世界中の誰よりきっと』など数々のヒット曲や、ドラマ『毎度おさわがせします』(TBS系)、『すてきな片思い』(フジテレビ系)、『誰かが彼女を愛してる』(同)、映画『Love Letter』など女優としても確固たる地位を築いた。
「まさに日本が一番勢いがあったバブル期を駆け抜けたトップ歌手でありトップ女優だったわけです」(前出・芸能プロ関係者)
芸能界で頂点を極めた中山さんだったが、決しておごることはなかった。
当時、彼女と仕事をしたドラマプロデューサーが証言する。
「あれだけ売れていれば、普通は天狗になるものです。しかし、彼女は違った。恐らくは家庭環境が影響していたと思う。14歳でこの世界に入ったのも、後に芸能界に入った妹の中山忍や弟を食べさせるためだった。幼い頃から複雑な家庭環境で親戚の家に預けられているんです。だから、どんなにハードスケジュールでも文句一つ言わなかった。他の売れている女性アイドルらとは距離を置き、黙々と仕事をしている感じだった。友達も少なかったのでは。華やかなイメージとは裏腹に、陰があったのはこうした境遇があったからだと思う。しかし、この陰影により、女優としても深みを増していくわけです」
そんな中山さんの初熱愛報道は1989年、田原俊彦(63)とだった。
「意外にも、田原以外の交際相手はアーティストやスタイリストといった有名芸能人でない人ばかり。彼女の男性観が反映されていたのでしょう」(業界関係者)
2002年、作家でミュージシャンの辻仁成氏と結婚し、生活拠点をパリに移した。
04年に長男を出産するが、14年に離婚。その後、アーティストの渋谷慶一郎氏、最近はジャズバンド『JABBERLOOP』のベーシスト・永田雄樹氏との交際が報じられた。
「永田とは結婚願望はなく、あくまでも交際という関係だった」(制作会社関係者)
「私が自分の未来で興味があるのは…」
中山さんの悲報を受け、テレビ局は追悼番組の放送を続々予定している。
「TBSとフジは“女優・中山”として大特集を編成する。まずTBSはTVerで『毎度おさわがせします』、『ママはアイドル!』の2本のドラマを配信予定です。フジは映画『Love Letter』を地上波で放送する準備を始めました」(前出・事情通)
アーティストとして中山さんを追悼するのが、NHKと日本テレビだ。
「NHKは早速、大みそかの紅白歌合戦で中山のヒット曲を出場歌手がリレーで歌い上げる。白組は10月に亡くなった西田敏行、紅組は中山という構成です。それぞれ15分の尺を取る大掛かりな放送になるようです」(NHK関係者)
対する日テレは、
「来年放送の『24時間テレビ』で中山を取り上げる。知られざる逸話とともに再現ドラマと名曲『世界中の誰よりきっと』を世界の人々と一緒に歌うプランだ」(放送作家)
生前、中山さんはある雑誌のインタビューでこう語っている。
「80歳ぐらいのおばあちゃんって、陽だまりの中で座っているだけでも、何かが見えちゃうじゃないですか。~略~年齢を重ねて、ちゃんと自分の“味”を出していけるのか。キレイでいるとか、若さを保つことよりも私が自分の未来で興味があるのはそこですね」
あまりに早すぎるミポリンの死に悲しみの声は尽きない。
「週刊実話」12月26日号より