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【追悼】多くの俳優仲間とワイワイ楽しげに…歌手で女優の中山美穂さん 本誌が見た15歳からの軌跡

『毎度おさわがせします』で一躍トップアイドルに

舞台終わりの打ち上げで勝村政信(右)や橋本淳(中山さんの左)と歩く中山美穂さん(’16年4月19日号)
舞台終わりの打ち上げで勝村政信(右)や橋本淳(中山さんの左)と歩く中山美穂さん(’16年4月19日号)(提供:FRIDAYデジタル)

歌手で女優の中山美穂さんが亡くなったことが12月6日にわかった。享年54だった。

6日の正午ごろ、東京・渋谷区の中山さんの自宅を訪れた事務所関係者から、「浴槽の中で亡くなっている」と110番通報があったという。その後、現場で死亡が確認され、警視庁が死亡の経緯について調べている。

「中山さんは1982年に東京・原宿でスカウトされ芸能界入りしました。1985年の14歳の時、ドラマ『毎度おさわがせします』(TBS系)のツッパリ少女・のどか役で一躍、脚光を浴びます。同年のドラマ『夏・体験物語』(TBS系)で主演デビュー。主題歌となったシングル『「C」』でアイドル歌手としてもデビューし、“ミポリン”の愛称で、瞬く間にトップアイドルになりました。

1995年には映画『Love Letter』で主演女優賞を総なめにし、1997年の映画『東京日和』で、写真家・荒木経惟氏の妻役を演じて、日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞しました。’80年代後半はアイドルとして、’90年代は女優としてトップを走りつづけた稀有な才能の持ち主でした」(テレビ誌ライター)

’02年にミュージシャンで小説家の辻仁成(65)と結婚。それを機に日本での芸能活動を休止し、フランス・パリに移住した。’14年の離婚後、都内で独身生活を送っていた中山さんだったが、そんな彼女の幸せそうな姿を『FRIDAY』(’16年4月29日号)が報じたのは、’16年4月のことだった。

◆俳優仲間と楽しげに居酒屋で

この日、中山さんは世田谷区・下北沢にある本多劇場で上演された舞台『魔術』に出演していた。終演後、彼女が俳優仲間たちと訪れたのは、庶民的な雰囲気のおでん屋『S』。

「ここは本多劇場に近いので、舞台の打ち上げなどによく利用されます。ウリは静岡風の黒ダシのおでんで、それをつつきながらソウルミュージックが聴けるという、いかにも下北らしいカオスな雰囲気の店。一品100円前後という大衆店なのに、大物俳優が普通に座ってたりするから、ビックリしますよ」(舞台関係者)

閉店時間の深夜0時、店を出た俳優陣が往来でお喋りに興じている。その中には萩原聖人(53)や勝村政信(61)の姿も。しばらくすると、中山さんが店の階段を下りてきた。終始ご機嫌な様子で、まるで彼らを従えるように、彼女が先頭に立って歩き出したのだった。

中山さんは『週刊朝日』(’20年1月3・10日合併号)で、インタビュー取材に応じていた。その中で、自身が思う女優の理想像について、このように語っていた。

〈役を演じる上で、技術的な部分や熱量以外に、自然に滲み出る何かが、一番その人のオリジナルなんだと思う。だとしたら、年を重ねること、経験を積むことすべてがお芝居の肥やしになる。80歳ぐらいのおばあちゃんって、陽だまりの中で座っているだけでも、何かが見えちゃうじゃないですか。私もそういう豊かさが欲しいんです。年齢を重ねて、ちゃんと自分の“味”を出していきたい。(中略)お芝居だけじゃなく、私自身も、年齢を重ねながら、いつかそういう存在になれたらと思います〉

1980年代、14歳から現在まで芸能界の第一線を走り続け、多くのファンを魅了した中山さん。心からご冥福をお祈りいたします。

 

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