◆明治安田J1リーグ最終節 川崎3―1福岡(8日・U等々力)
今季限りで退任する鬼木達監督が、川崎でのラストマッチを勝利で締めくくった。
前半8分にMF家長がエリア内の右から左足で豪快なシュートをゴール右上に突き刺して先制すると、同27分には、コーチ時代を含めてルーキーイヤーから15年ともに戦ってきたFW小林が、MF山本のミドルシュートをGKがはじいたこぼれ球に反応し、右足で押し込んだ。
後半3分にはFWマルシーニョが右からのクロスを右足で合わせて3点目。福岡に1点を返されたが、3―1で試合終了。最後の試合でも、らしさ全開の攻撃サッカーを披露し、公式戦4戦連続勝利&複数得点で有終の美を飾った。
試合後にはセレモニーが行われ、獲得したタイトルのシャーレを背にマイクの前に立ち、サポーターに向けて最後のメッセージを伝えた。
「自分の中ではタイトルを取らせてくれたのは皆さんであり、自分と関わってくれた選手、コーチたち、みんなのおかげだと思います。監督、鬼木達として育ててくれたのは皆さんなんです。本当に皆さんに感謝しています。ありがとうございます」
「監督経験がない中で、自分を信じて、監督にしてくださったクラブ、そして、それを信じてここまで戦ってくれたファン・サポーターの皆さん、本当にありきたりな言葉しかないんですけど、感謝していますし、本当にありがとうございます」
「このクラブを支えているのは、監督やコーチや選手ではなく、僕たちはクラブの歴史の中の一部であって、クラブを支え続けるのは、クラブの中にいる人たちであり、外からいつも熱い声援で選手を後押ししてくれる皆さんです。だからこれから先も選手の後押しをしてほしいです。選手が大好きなサッカーをやっているので、選手たちをブーイングではなく、いつものように励ましの言葉で来年も支えてもらえればなと思います。ブーイングをせずにやってこれたのは、本当に唯一無二のこのクラブの誇りだと思っています。これからも皆さんが選手を後押ししてほしいと思います」
涙を浮かべながら、そう何度も感謝の言葉を伝え、最後は「フロンターレでの26年間、そして、監督での8年間、本当にありがとうございました。幸せものでした」と声を張り上げた。その後、選手たちの手で7度の胴上げ。黄金時代を築いた名将に、鳴りやまない拍手が注がれた。